TBS『おわら風の盆』

今日TBSで14時からやっていたドキュメンタリー番組。
http://www.dydo-matsuri.com/tv/index.html
案内役に吉村作治、アシスタントに矢沢心を迎え、毎年富山県八尾(やつお)で行われるおわら風の盆の密着取材。おわら風の盆の紹介もさることながら、踊り手や地方(じかた)の不安や葛藤、喜び等を巧く描写していてよドキュメンタリーとしては秀逸の部類に入ると思う。
自分の印象に残ったのは、地方三味線の古川克巳さんの台詞「(仕事が忙しい等で)長い間三味線を弾いていないと不安で鞄から出せない。」これはまさに同感。自分はまだ稽古が待っているから半強制的に弾くことになるのだが、それでも仕事が多忙で稽古まで練習が手つかずな事が多かったりするのだ。
あと今日初めてわかった事があり、越中おわら節は本調子の曲なのに胡弓が何故同じ尺寸の三下がりなのかずっと疑問だった。越中おわら節は弦を左手の指で微妙に揺らすことでビブラートを奏でるが、それでは開放弦の音はビブラートが出来ない。そこで三の糸を二寸下げて三味線で言う2のツボを押さえる事で望みの尺寸でビブラートが出来るようになるのだ。
胡弓が三下がりである理由は、胡弓が基本的に三下がりの調弦と決まっているからだ。*1つまり三味線の調弦二上がりもしくは本調子でも、胡弓は常に同じ寸法の三下がりの調弦をとる。*2

祭りの魅力も出ておりなかなか面白かった。
(2007/10/25 1:45加筆修正)

*1:そういうお約束だから

*2:したがって三下がりの調弦を取る理由がビブラートの奏法を使うことが目的であるというのは間違い