(長文注意)越えられない壁

自分が三味線を習い始めてから十年になるが、ここに来ておそらく史上最大の壁にぶち当たる。それは撥付けである。
昨日の民謡の稽古で師匠より撥付けが甘いとの指摘を受けた。確かに言われてみると自分の撥の当て方は撥が皮に吸い込まれるような動きではなく、ただ単に糸を当てるだけの動きになっている。自分の三味線が時々突っ走るような弾き方になってしまうのはこのためであり、また三味線合奏でも曲が速くなる現象も撥付けの甘さが原因とのことだ。
技巧的な奏法の多い津軽三味線で撥付け三年と言われている位難しいそうだが、普通(?)の民謡三味線(細棹)でも津軽並みとはいかなくても撥付けは重要な要素であろう。自分でも撥付けには気をつけて弾いているつもりだったが、まだまだ甘いという事が稽古で判明した次第だ。
それを克服するには、一流の三味線奏者の演奏する様子をよく観察し、音源も一流の三味線奏者の演奏している音源をよく聴き、それを自らの身体に叩き込むのが早道と師匠はおっしゃっていた。今までの練習方法も一から見直さなければならないな。
撥付けの出来が三味線の上手・下手を峻別する壁だとしたら、自分は未だに下手くその位置にいる。これが越えられない壁という奴なのか…
果たして自分は壁を越えられないまま終わるのか、それともいつかその壁をぶち壊す日を迎える事が出来るのだろうか。