米国産牛肉輸入再開の是非

僕は今日本が行っている例外なき全頭検査、危険部位の除去およびトレーサビリティを実施しない限り輸入再開すべきでないと考えます。

昨日NHK-BSでこんなのをやっていました。
NHK BS ディベートアワー BSE対策 安全は守れるか」
http://www.nhk.or.jp/bsdebate/0410_1/index.html
しかし輸入再開推進派の連中の発言は根拠があいまいだったり、論理のスリカエが多かったですな。以下に輸入推進派のおもな主張を挙げて反駁してみます。

1.全頭検査は不完全なので緩和・撤廃すべき。
確かに全頭検査を行ったから完全に防げるとは限らないでしょう。しかし全頭検査が不完全だから緩和・撤廃すべきというのは明らかに論理の飛躍です。今行われている全頭検査が不完全ならば検査方法の精度を上げる工夫をすべきでしょう。またプリオンの発生メカニズムなどが解明されていない今は全頭検査が最も確実でしょう。

2.危険部位を除去さえすれば安全だ
これは根拠があいまいです。危険部位を完全に除去する事は非常に難しいです。少量でも残ってしまうまたプリオンは牛が口から摂取した餌が変化したものであり、危険部位にすぐにたどり着くというわけではなく体のどこかを経由して危険部位と呼ばれるところに蓄積されるものと考えられます。つまり危険部位以外の場所にもプリオンは存在する可能性はあるということになります。ただし危険部位の除去で感染リスクを大幅に減らすことはできるので、全頭検査と組み合わせて行うと効果が高いと考えられます。

3.年齢20ヶ月以下の牛はプリオンの検出が難しいので検査対象から除外すべきだ
これは論理のスリカエです。確かに20ヶ月以下の牛から陽性反応が検出されたという報告は今のところありません。しかし日本で21ヶ月の牛から陽性反応が出たという話は記憶に新しいですね。「たった1ヶ月しか違わないところで線引きをしていいのか」「もしかして20ヶ月以下でも発症するかもしれないのではないか」常識のある人ならばそう考えるでしょう。20ヶ月以下でも発症しなくても潜在的には発症するリスクを抱えている危険性だって充分考えられます。検査精度を上げるのと、餌に何を用いたか即座にわかるくらいトレーサビリティを向上すべきでしょう。

それにしても輸入再開推進派の連中は上記以外でもしょうもない発言が多かったな。「日本でのCJD患者発生予測の数値は0.000○人」(唐木英明)とか「さまざまな基準の牛肉を流通させて消費者は自己責任で選ぶべき」(本間正義)とか無神経かつ無責任な発言が目立ったね。こいつら米国食肉輸出連合会からキックバック(研究費)を貰っているかCIAあたりに恥ずかしい秘密でも握られているのではなかろうか。そう勘繰りしたくなるくらい見事にアメリカのポチだったなぁ。また「米国産牛肉は十分な検査を行っており安全なので即座に輸入再開することを望む。」(加藤一隆ら)という声が業者サイドからあったが、そこまで米国産牛肉が安全であることを主張するならば真っ先に自分の子供や孫に食べさせてみるべきであろう。

というわけでこのままなし崩し的に米国産の牛肉が輸入再開されたら、米国産牛肉およびそれを使っている商品の不買運動をすることをここに宣言します。そういえば牛丼チェーン店「松屋」は牛肉を中国から輸入するそうだが、あれもアメリカ並に危ないよね。